カポタストについて

主にアコースティック系のギタリストがギターに装着しているモノ

テレビなどでギターを演奏しているプロのアーティスト、特にアコースティック系のアーティストが時折ギターのネックに何かを巻きけていることがあります。それは飾りではなく、とても実用的なものに見え、よく見てみるとなんと指板にギュッと巻きつけてあるのです。

それでも音が鳴るということは、弦を特定フレットでしっかりと押さえつけているということになります。軽く押さえるだけでは「ミュート」された状態になってしまい、まともな音が出なくなってしまうことからも、それは明らかです。

その正体は「カポタスト」

ギターは不思議な楽器で、1つのコードフォームを覚えれば、そのコードに「開放弦」が混ざっていなければ、フォームそのままでポジションを動かすだけでコードが変わります。ただ、「開放弦が混ざっていない」ということを条件にすると、若干可能なコードが限られます。

それではいっそのこと、開放弦の音を変えてしまえばいい、それもチューニングを変えず、変えてしまいたい、ということのために用いるのが「カポタスト」です。特定のフレットで、すべての弦を押さえた状態にするため、例えば3フレットにカポタストを装着し、5弦を鳴らせばそれはCになります。

曲のキーとは

ポピュラー音楽には原則として、どの曲でも「キー」を定めているものです。それは小学校や中学校ではハ長調やイ短調と教わったもので、ポピュラー音楽ではCメジャー、Aマイナーと呼びます。「キーを変える」ということはこの調を変えるということです。

ギターほどキーを変えることが楽な楽器はありません。これが鍵盤楽器であれば黒鍵のためにフォームが少し難解になります。「ドレミファソラシド」の「ミとファ」、「シとド」の間は「半音」です。そのため、長調と短調が存在し、ピアノに黒鍵が存在しています。

ですが、ギターでは隣り合ったフレットのインターバルはすべて「半音」です。これがキーの移動を簡単にしている秘密、そして同じフォームで違うコードが鳴らせる秘密、そしてカポタストが役に立つ秘密になっています。

カポタストにはどのようなものがあるか

カポタストの原理は特定のフレットで弦の鳴りを固定することなのですが、同じことをやろうとしてもさまざまなアプローチがあります。まずはネジでしっかりと固定するネジ式のカポタストがあります。これは演奏中に誤って外れてしまうことがないため、一番信頼性の高いカポタストです。

ただ、そのようなネジ式では脱着に時間がかかってしまうため、多くの方はクリップ式のカポタストを使用することが多いです。曲によって簡単に固定するフレットを変えることができます。ただし、ネジ式と違って誤って手が触れてしまったりすると曲中でズレてしまうこともあります。

脱着の容易さと安定性を両立したのがベルト式です。ゴムやナイロンのベルトを巻き付けるだけですので、ネジ式よりも脱着が容易で、且つ簡単には外れません。さらに、自作も可能な方法です。ただ、しっかりと装着しなければ弦がしっかり鳴らないこともあります。

オススメのカポタストを厳選

エリック・クラプトンも好んで使用したというG7th Performance Capoは、一度締めるとレバーを緩めない限り一定の力で固定します。さらに装着時に少しずつ締めていくことができるので、締めすぎて弦のピッチが上がることもないため、かなり推薦できます。

また、クリップ式でありながらネジ式の良さも併せ持ったPlanet Waves NS Dual Action Capoは、手軽に脱着できるのに微妙なテンションを調節できるというカポです。クリップ式を用いたいけれども、精度を求める方にとても推奨できるカポタストになっています。




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