漫画「デトロイト・メタル・シティ」を語る
デトロイト・メタル・シティは若杉公徳によるデスメタルバンドを題材にしたギャグマンガです。おしゃれポップスをやっても誰も振り向いてくれず挙げ句の果てにはキモイと言われてしまう根岸が、クラウザーさんとして降臨すると数々のレジェンドを作り上げてしまうというギャップから生まれる笑いを主軸にしています。
このマンガで描かれているデスメタルの要素はわかりやすく強調されており、繰り広げられるライブパフォーマンスや曲の内容は狂気に満ちています。また下ネタ満載であるため読む人を選びますが、作品の中の詞に本格的な曲を独自につけるファンが続出しました。本作は大ヒットし2008年には松山ケンイチ主演による実写映画化もされました。
原作漫画は若杉公徳により2005年から2010年にかけてヤングアニマルに連載され、単行本は全10巻白泉社よりJETS COMICSとして刊行されています。
あらすじ
あの日の思い出など 真っ赤な血のメロディーに 染めてやるわー!!
インディースシーンで圧倒的人気を誇る悪魔系デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」通称DMC。そしてそのギター・ボーカルであるクラウザーII世は毎夜、オーディエンスを熱狂させる狂気的なライブを繰り返していた。
しかし、その素顔はおしゃれポップスを好む素朴な青年、根岸 崇一23歳。本当はおしゃれなポップスをやりたいのに鳴かず飛ばず。事務所の意向でいつしかデスメタルバンドのギターボーカルに仕立て上げられてしまい、そちらの方面で才能を開花させていくのであった…
主な登場人物
根岸 崇一(ねぎし そういち)/ヨハネ・クラウザーII世(Gt/Vo)
デトロイト・メタル・シティのギターボーカル。本作の主人公。23歳童貞。大学進学のために犬飼町から上京してきた純朴な青年です。
カヒミ・カリィが好きで大学卒業後はおしゃれポップスバンドをやることを志していましたが、契約したインディースレーベル「デスレコーズ」では、全く好きではないデスメタルをやらされることになり、デスメタルバンド「デトロイト・メタル・シティ」のギターボーカル「クラウザーII世」として嫌々ながらライブをしていくことになります。
しかしながらライブでテンションが上がってしまうと、狂気的なパフォーマンスやギターテクニックを繰り広げ本人の意に反してやりたくないデスメタルで天才的な才能を発揮することになります。かくしてクラウザーII世はカリスマとなり、デトロイト・メタル・シティの人気は不動のものになっていくのですが、本当にやりたい音楽ができない状況に苦悩します。
和田 真幸(わだ まさゆき)/アレキサンダー・ジャギ(Ba/Vo)
デトロイト・メタル・シティのベースボーカル。お調子者の長髪イケメンで気が利き女性にもモテます。またメンバーの中で一番メジャー指向が強く、デトロイト・メタル・シティで世に出るという夢を持っています。そのため努力家でベースやパフォーマンスの練習も欠かしません。
しかし一度スイッチが入るとクラウザーII世になりきる根岸とは違い、パフォーマンスのアドリブがきかずジャギになりきれないこともあるため、根岸のクラウザーII世としての才能には尊敬の念を抱いています。
西田 照道(にしだ てるみち)/カミュ(Dr)
デトロイト・メタル・シティのドラム。オタクであり変質者。背が低く小太りでメガネをかけておりトレーナーはズボンの中に入れます。非常に口数の少なく謎多き人物ですが、たとえ口を開いたとしてもその言動は毒舌そのものであり、特に女性に対しては卑猥な言葉しか話しません。根岸や和田とは違いバンドでも素でもキャラが変わることがなく、ある意味最もロックな人物と言えるでしょう。
デスレコーズ社長
デトロイト・メタル・シティが契約しているレーベルの社長。革ジャン、ピアス、ミニスカートの出で立ちで、昼間から飲酒や喫煙、「ファ○ク」「股間が濡れてきた」が口癖の粗暴な女性です。しかしデスメタルを愛し何よりデトロイト・メタル・シティのことを大事にしています。そのため才能とは裏腹に軟弱な根岸の体質を改善すべく色々と奔走します。
猟奇的な楽曲たち
- SATSUGAI
- デトロイト・メタル・シティの代表曲。ファーストシングル。
- グロテスク
- 初PVが付いた曲。2ndマキシシングル。
- 恨みはらさでおくべきか
- 電車で根岸のことを痴漢と間違えた女性への恨みから生まれた楽曲。
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