音楽理論 ダイアトニックコード

音楽理論 スケール・音程・コードでは白鍵だけで話を進めて参りましたが、世の中の楽曲は白鍵から出来ているわけではありません。そこで今回は白鍵から脱却して、Cメジャースケール、Aマイナースケール以外のスケールも扱えるようになりましょう。

白鍵からの脱却

といっても難しいことはないんです。他のスケールを使いたい場合は、Aマイナースケール及び、Cメジャースケールをそのまま平行移動するだけなんです。カラオケのキーを変える感覚とでも言えばいいんでしょうか?例えば、Gメジャースケールを使用したい場合は、G音から全音-全音-半音-全音-全音-全音-全音-半音の規則でスケールを作ります。

EマイナースケールはE音から全音-半音-全音-全音-半音-全音-全音の規則でスケールを作ればいいだけです。こうするとピアノという楽器の性質上、黒鍵盤も使うことになりますが基本は変わりません。

ギターの場合は白鍵は気にしなくていいので、割と自由にスケールを捉えることができます。違うスケールを使用する場合は、基本となる運指を平行移動するという点ではピアノと変わりません。

ダイアトニックコードの機能

CメジャースケールをGメジャースケールに移調したところで、コード進行は同一のなので曲が持つ響きや感情は変わることがありません。従ってスケールを決定する要因というのは、演奏のしやすさや、ボーカルの声域によるところが大きいのです。スケールがCメジャーだとか、Eマイナーだとかという議論は実はあまり意味を持たないことなのです。大事なのはそのスケール内でのコードの位置、すなわちダイアトニックコードです。これが楽曲の感情を決めています。前回はトニックというコードを紹介しましたが。実は他にも大事なコードはあります。それはサブドミナントドミナントです。

メジャースケールにおけるダイアトニックコード

下の表を見てみましょう。メジャースケールにおけるダイアトニックコードです。このスケールがCだとかGだとかという事には意味がないので、これを一般化してローマ数字で音名を表すことにしましょう。ローマ数字で表されたコードをディグリーコードと言います。
 

ルート I II III IV V VI VII
トライアド I IIm IIIm IV V VIm VIIm(♭5)
トライアド(C) C Dm Em F G Am Bm(♭5)
ファンクション T (SD) (T) SD D (T) (D)

 
さて、色分けされているコードがありますね。ダイアトニックコードではそれぞれのコードに役割があります。その役割のことをファンクションと言い、Iの和音はT(トニック)、IVの和音はSD(サブドミナント)、Vの和音はD(ドミナント)という役割を担っています。さらにこの三つを主要三和音と言い、コード進行の中心となります。

  • トニックとは、安定感を与えるコードです。
  • ドミナントとは、緊張感を与えるコードで、安定を求めてトニックに向かう性質を持っています。。
  • サブドミナントとは、中立的なコードで、ドミナントに向かう性質を持っています。

ファンクションにはこのような性質があります。従って、基本的にはトニックで終始するようにコード進行は組み立てられます。例えばT→SD→D→Tといった具合です。もちろん主要三和音以外のコードも使用することができます。主要三和音以外のコードを代理コードと言い、一応上の表ようなファンクションを与えられていますが、本によって微妙に解釈が違うので、ここでは一番ポピュラーだと思われるものを紹介しています。

マイナースケールにおけるダイアトニックコード

マイナースケールにおいてもメジャースケール同様にダイアトニックコードとファンクションが存在して以下の表のようになります。
 

ルート I II III IV V VI VII
トライアド Im IIm(♭5) III IVm Vm VI VII
トライアド(Am) Am Bm(♭5) C Dm Em F G
ファンクション T (SD) (T) SD D (SD) (SD)



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