フリーソフト(アプリ)で耳コピ
自宅で曲をコピーするには、何が必要でしょうか?
基本的には音源と楽譜が必要です。音源を参考にして曲の構造を掴み、楽譜で弾き方を覚え、最終的に音源に近づけていくと言う寸法ですね。
音源だけではどう弾けばいいか分からず、楽譜だけでは自分の演奏が正しいのか確認が取れないので、音源と楽譜は曲のコピーには必須であると言えます。しかし、楽譜がない場合も多々あります。それはどんな場合かと言うと、、、
- 単純に楽譜が出ていない
- 既存楽曲のアレンジをする
- オリジナルを作成する
このような場合は、音源だけで耳コピをする必要があります。耳コピと言うと、聞いた音がCなのかF♯なのか即座に分かる能力、いわゆる絶対音感が必要だと思うかもしれませんが、そんなことはありません。私もそんなことは出来ません。絶対音感がなくても耳コピは出来ます。そこでここで言う耳コピの方針として・・・
- 絶対音感のない普通の人
- 音源はmp3になっていてパソコンで再生できる環境がある。
- 簡単な音楽理論は分かっている
以上を前提として、
- フリーソフトや無料アプリを最大限に利用することでほぼ正確な耳コピ
- 最低限コードは間違えない
という所を目標に、耳コピのやり方を解説していきます。
ギターソロのコピー
山内良太さんが開発された聞々ハヤえもんというフリーサウンドプレイヤーを使います。
これでゆっくり、繰り返し再生させればコピーしやすくなるでしょう。
聞々ハヤえもんはiPhone版、Android版も無料アプリとしてもリリースしていますので、スマホ端末があれば出先でも耳コピの練習が可能です。
ベースのコピー
聞々ハヤえもんで1オクターブ上げてやれば、ほぼギターソロと同様になります。
しかしベースアレンジには定石があるので、スケールとコードを特定すればさらに精度が高くなるでしょう。
- ルート弾き
- ルートに加え5度、オクターブを混ぜる
- さらに3度も混ぜる
- 上記に加えて、スケール音でフレーズを挟む。
パートの項でも述べましたが、ベースは間違うと楽曲を破壊しかねません。自信がなければルートを弾いていましょう。
バッキングのコピー
ギター、ピアノ、キーボードなどの和音楽器のコピーは大変です。単音だけではなく、スケールとコードを特定する必要があるからです。コードを特定したあと、それをどのように演奏するかは楽器経験に依存するのでここでは触れません。コードの特定の仕方について説明します。コードはある程度音楽理論の知識がないと、スケールアウトした音を拾ってしまったりします。
大まかな流れとしては・・・
曲中のトニックを特定する。
↓
スケールを特定する。
↓
それに対応するダイアトニックコードを特定する。
(これによりかなり使用される音が限定される)
↓<
曲中のコードをダイアトニックコードに当てはめていく
こんな感じで曲のコードを特定します。
トニックの特定
このページで一番大事な部分です。まず曲中のトニックの把握の仕方ですが、コード進行というのは大体がトニックから始まりトニックで終わるという性質があります。バンド演奏では大体が、「ジャ~~~ン!」と終わりますよね?はい、そこのコードがトニックです。そこを繰り返し聴くと同時に、ギターやピアノで合わせていきましょう。
何?!ギターやピアノで合わせても
しっくりくるコードを見つけられない!?
よくあることです。でも大丈夫。そういうときはベースを聞きましょう。例えばベース音がAだとしたら、トニックはAかAmになります。メジャーかマイナーかは聞いた感じが明るい場合はメジャー、暗い場合はマイナーとしか言いようがないのでとりあえずはそう覚えてください。
気を付けてほしいのは、中にはトニックで始まらなかったり、終わらなかったりする曲もあるということです。煽る感じのコード感で始まる曲や、憂いがあったり、やり残し感があって終わる曲などは、トニックではない可能性が高いです。
コードの特定
トニックを特定できたら、そこからスケール、ダイアニックコードは自然に決まるでしょう。トニックがAmだとしたら、そのスケールはAマイナースケールでそれに伴うダイアトニックコードを当てはめればいいだけです。このダイアトニックコードが曲中で使用するコードになります。しかし、曲を聴きながら、これだ!と思うダイアトニックコードを和音楽器で鳴らしてみた所でしっくりこないことも良くあります。思った以上に和音を特定するのは難しいようですね。こんなときはさっきも言いましたがベースを聞きましょう。そのベース音を冠するダイアトニックコードがそこのコードになります。音楽においてはベースが絶対です。ベース音を間違えなければ、まずコードも間違えることはありません。まぁオンコードといった例外もありますが、基本はそうだと覚えておきましょう。
慣れてくると、絶対音感がなくてもディグリーコードくらいは把握できるようになるので非常に耳コピがしやすくなります。曲を聴いただけでコード進行が分かるんです。よってトニックのコードさえ確定すれば、自動的に絶対的なコードが確定します。
転調が絡む場合
曲中に転調が絡むとさらに厄介です。調が変わるので、苦労し解読したトニックやダイアトニックコードをまた一から解読することになります。しかも大体の音楽(特にJ-POP)は頻繁にごく自然に転調するので、今まで使ってたダイアトニックコードが突然使えなくなり疑問を抱くかもしれません。そんな時は面倒ですが、転調後のトニックを聞き取ってまたダイアトニックコードを起こしましょう。
そんな努力をせずに、もっとお手軽に耳コピしたい人には同じくフリーソフトのWaveToneもお勧めです。
mp3ファイルを読み取ってコードを分析し、グラフィカルに表示してくれます。
しかし、このコードも絶対的に正しいわけではありません。しばしば間違ったコードも表示されます。もし間違ったコードが表示されたとしても、あなたはそれが間違いだとわかるでしょうか?表示されたコードがダイアトニックコード上ではどの位置にあるかわかるでしょうか?表示されたコードを鵜呑みにしてコピーしても音楽センスは磨かれません。音楽理論を学んだ上で効率よく耳コピを進める為のツールとして使うのがよろしいかと思います。
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