【ギター】空間系エフェクター
広いホールで音を響かせれば「残響」が得られます。山で大きな声を発せばやまびこが聴こえます。その「場」によって音の響き方は変化します。音楽スタジオなどで壁が音を吸い込んで残響がなくクリアに音が聴こえることをデッドといったりドライといったりしますが、その逆が欲しい場合があります。
ドライな環境でウェットに響くサウンドを得たい場合、空間を再現するエフェクターを使用することになります。アンプに「Reverb」というコントロールがあるのは誰もが見たことがあるはずですが、空間系エフェクターはそれを取り出してさまざまに派生させたものと捉えてください。
空間系エフェクターの効果
空き缶を口につけて声を出してみると不思議な音になります。それは空き缶という小さな空間の中で音が響いているからです。空間といってもさまざまなものが存在し、空気が満たされた音場はすべて「空間」です。それらで想定されるあらゆる音色を再現するためのエフェクターが空間系です。
空間系も大別すると時間制御系、残響系、さらにフィルター系と融合したものに分けることができます。ディレイ、つまり「やまびこ」を得るためのエフェクターとリヴァーブ、つまり残響を得るためのエフェクターは別ものです。さらに短いタイムのディレイを重ねることでタブリングに似た効果を得ることもできます。
ドライなディレイ、つまり残響を伴わないディレイはギターストロークをパーカッシブに進化させることが可能です。つまり、一度自分が弾いた音を繰り返させて、それと現在弾いている音を重ねるということです。一度のピッキングで複数回数音を鳴らすというものです。
これは空間を支配するという感覚から「時間を支配する」という感覚に進化したものです。プログレ的なアプローチ、テクノと融合したアプローチでも有効な使用方法で、多くのギタリストが独自にディレイを利用しています。
楽曲によってはディレイがなければ成立しないものなども多々存在しています。ディレイタイムを楽曲のテンポに対してどのように設定するのかということがポイントで、ギタリストがひとりでも実に多彩なアプローチを可能にした、プレイスタイルによっては欠かすことのできないエフェクターです。
リヴァーブの定番とは
ギター用コンパクトエフェクターの定番であるBOSSのRV-5 Digital Reverbはスタジオモデルのリヴァーブに匹敵する音質を持ち、スプリングリヴァーブモードなども備えた高性能機です。他にも定番のPLATE、HALL、ROOMなどのモードが選択可能で、これ一台さえあれば音場の再現は十分です。
Electro-HarmonixのHoly Grailというエフェクターは独創性を維持しつつ長い歴史を持つエフェクターです。Reverbの定番としてロングセラーを誇っています。特徴はFlerbというモードで、浮遊性に富んだ独特のサウンドはこのモデルでしか出せないものです。このエフェクトを再現するためだけに本機を購入する方もとても多く、一度試すとクセになります。
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BOSS / RV-5 Digital Reverb |
electro-harmonix / NANO Holy Grail |
DigiTech / HardWire RV-7 |
Eventide / SPACE |
ディレイの定番機とは
ディレイの名機はAkai E2 Headrushです。かなり大きめのペダルエフェクターですが、プロも愛用する高いクオリティのディレイです。ノーマルのディレイ、テープエコー風のディレイ、そしてルーパー機能を加えた高性能機です。特にルーパーモードではダビングして音を重ねることが可能で、その点が本機の人気のひとつになっています。
こちらは使用している方がとても多いタイプ、BOSSのDD-3 Digital Delayです。デジタル・ディレイの定番として、さまざまなシーンで活躍しています。3段階でディレイタイムを設定でき、ダイレクト音を別に出力することも可能なアウトジャックを備えていて、コンパクトでありながらディレイにトコトンこだわれるモデルです。
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BOSS / DD-3 Digital Delay |
LINE6 / STOMP BOX DL4 |
MOOER ムーアー / ANA ECHO |
AKAI / HEADRUSH E1 |
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