DTMからバンドへの転身
一昔前は、宅録で自分の音楽を製作するというのは、自ら防音スペースを作ったり、重苦しい機材を何台もラックに搭載したりして、結構すごいことだと思われていました。しかしラックに搭載していた機材も今やソフトシンセが主流となり、パソコンの性能、ネットワーク回線の速度も遙かに向上しました。そして何より初音ミクの登場によりパソコンで音楽を作るDTM(デスクトップ・ミュージック)も普通の趣味になってきました。
DTMを趣味とする人々が増えてきたため、DTMで録音するときしか楽器を演奏しない人もいるかと思います。そんなDTMerでも何かのきっかけでバンドを始めたくなるかもしれません。例えばDTMで作った曲を実際にライブでプレイしたくなった、単にDTMを通してバンドに興味を持った、キーボードの腕前をDTMではなくバンドで披露してみたくなったような場合です。
そんなときパソコンを通してしか音楽に触れておらず、人前で演奏をした経験ゼロのDTMerはどうすれば良いでしょうか?ご安心下さい。そのままバンド活動を始めちゃって下さい。DTMerには、バンド活動を始める上で多くのアドバンテージがあるのです。
実は多くのスキルが身に付いている
自力で一曲作り上げることができるDTMerは、作詞、作曲、編曲、ミックス・マスタリング、場合によりますが楽器演奏のスキルが身に付いています。実はこれプロの音楽製作では全て分業して複数人で行われていることです。DTMerは本来複数人で行われるべき事を全て1人でこなすことができるのです。バンドではこれだけのことがこなせる人は絶対重宝されます。
- 作詞 → 作詞家
- 作曲 → 作曲家
- 編曲 → 編曲家
- ミックス・マスタリング → エンジニア
- 楽器演奏 → スタジオミュージシャン
楽器への理解が早い
DTMerにはキーボードに長けている人が多いでしょうから、そのままキーボーティストとしてバンドを始める事には問題ありません。キーボードによるリアルタイムレコーディングと実際のバンド演奏とでは若干勝手が異なるかもしれませんが、そのうち馴染めるでしょう。
DTMerには楽器が弾けず打ち込みをマウスで行う人もいます。そんな人がバンドを始めるにはギターにしろキーボードにしろ楽器を1から始める必要があります。しかし全くの素人よりは楽器への理解が早いかと思います。
DTM経験者は音楽理論をある程度知っているため、ギターのFコードを押さえたときも薬指は5度、小指はルート、中指は長3度といった観点で認識できます。こういった運指を度数で把握するというのは演奏のアレンジをする際に役立ちます。コードの羅列も意味のある進行として捉えられるため、なぜそこを運指するのかということも理解でき、コピーする曲の楽譜も早く覚えられることでしょう。
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