ドラムのスツールについて

ドラムは自宅で練習しづらい

ドラムはポピュラー楽器の中でもっとも携帯性に欠ける楽器です。自身のものを持ち運ぶのはローディを備えたプロドラマー、さらにはセミプロなどに限られます。フルセットを所有するのは予算さえあれば可能ですが、それを自宅で鳴らすことはほぼ不可能であるため、ドラムが好きな方でもそこまでは至らないことが多いです。

ただ、スタジオでしか練習できないというのでは他のパートに対してビハインドをとってしまいます。自宅でも基本的なところは練習したいものですが、電子ドラムを買おうにもそれも安くはありません。もっとも多いのがスツールに腰掛けて練習パッドを叩くというものです。両者合わせても10,000円以内で購入することができます。

スツールは基本持ち運ばない

プロのミュージシャンが自身のセットと共に持ち運ぶのでなければ、基本ドラムのスツールは持ち運ぶことはありません。安いタイプのスツールは4,000円ほどで購入することができますが、基本的にかさばるものです。自分のスツールでしか叩きたくないというドラマーは見たことがありません。

確かにスツールはドラムセッティングの要です。まず一番大切なのはスツールの高さです。キックペダルをどのように踏みたいのかということから、セット全体の高さ、シンバル類の高さを決定づける要素です。スツールを低くした方がパワーヒットのプレイが可能になります。位置が高ければタイトなビートになることが多いです。

そのようなプレイの根幹に関わるところだからこそ、しっかりと自分の高さを見極める意味でも自宅練習用にスツールを一台用意するのは無駄ではありません。ただ、その高さをスタジオやライブハウスのスツールで再現できる必要はあります。

ドラムスツール、スローンの高さ調整方法

一般的なスツールでは、座面と接続されている軸自体がネジのようになっていて、座面を回転させることで伸ばしたり縮めたりすることが可能です。座面だけが空回りしてしまう場合、軸にしっかりと固定されていないということがもっとも多い理由になります。

ドラムのセッティングはある意味一番時間がかかります。すでに置いてあるものではあるのですが、そのままの状態、要は前の人が叩いた後の状態でそのままプレイすることはほとんどできません。スツールはその一貫ですが、高さ調整にあまり時間を割くのも避けたいものです。

目で見て、そして座って確かめて、すぐに自身の高さに合わせることができるようになるまでは少し馴れが必要です。ドラムを始めたての頃は自身のプレイスタイルが定着していないということもあり、なおさら迷ってしまうものでもあります。

スツールに対する各パーツのセッティングは自然に決まる

高さ、そしてヒットする角度でもっともサウンドに違いが出るのはハイハットです。ハイハットに対して「面」にヒットさせれば「チッチッチッ」というサウンド、斜めにヒットさせれば「ジャッ」というサウンドになります。スツールの高さとハイハットの高さでこのサウンドはほぼ決定づけられます。

さらにハイハットの高さが決まると自然にスネアドラムの位置も決まります。スツールに対してハイハットを低めにセッティングしたのに、スネアも高めでは左腕の可動範囲が狭くなります。これらすべてのスタート地点にスツールの高さがあるのです。

スネアが決まれば各タムの自然な高さ、そして各シンバル、ライドの位置が自然に見えてきます。自身のスティックが流れるように自然に向かうことができる位置にそれぞれ存在するべきで、スツールの高さを変えるとそれらも変わります。ですからスツールの高さはあまり頻繁に変えるべきではありません。




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